国際協力というと国連とかJICAとかが浮かぶかもしれませんが、中東では相当な数のNGOがあってヨーロッパやアメリカからの若者が大勢働いていました。
経験のためのNGO活動
私が以前赴任していたパレスチナやヨルダンでは女性のため、障害者のため、貧困者のため、難民のため、など数多くのNGOが活動していました。日本や韓国からの団体もありましたが多くはヨーロッパやアメリカからの団体で、主に20代くらいのスタッフが活動していました。若いときからこのように海外でコミュニティのために働く決意をするなんてすごいなー、と単純に思っていましたが多くの人がその経験をステップとして自国に帰って就職したり、国連などの国際機関で職を見つけたりしているようでした。ドイツ人の友人もNGOで活動した後、自国に帰って外務省に就職し、今は外交官として世界を飛び回っています。
次のキャリアへのステップとして
様々な支援機関がそれぞれ計画を立てて別々に活動すると、よく似たような支援が同じ地域で重なって提供されたりさらにそれを支援される側にも比べられたりと、問題が出てきたりもします。そこで支援機関が集まって調整会議をしたりするのですが、そのような場で他の機関の存在や関わる人との交流の機会もできてくるので、これを次のキャリアづくりのステップとすることもできます。また、NGOの中でも規模の大きな国際NGOも数多く、小さなNGOから大きなNGOへのステップアップも十分考えられます。また、小さなNGOは同じ地区で隣接した場所に事務所を構える傾向もあり、様々な国際交流がその地域で行われており、情報交換の場となっていました。
新卒で就職、はもう古い?
日本はまだまだ新卒で就職がデフォルトで、協力隊員も、その経験が評価されるどころか就職が難しくなるので大学院に行ってそれから新卒として就活する、と言ってた人がいました。しかし、ヨーロッパやアメリカは特にそんなことはないようで、むしろNGOでの経験がキャリアとしてアピールできるようでした。自分の経験値も増えて、大学で学んだことの他に付加価値がつけられるNGOでの経験はなかなか良いアピールになりうるんじゃないかと思います。日本も終身雇用制が崩壊しつつあり、自分の価値を高めるアピールにもなりうるのでまずはインターンなど、気軽に応募できるサイズのNGOで国際協力の一歩を踏み出すのも悪くないと思いました。
念のため書いておきますが、もちろん強い意志やこだわりを持ってNGOで働く百戦錬磨のつわものスタッフも大勢いらっしゃるのはよく知っていますし、NGOだからこそできるきめ細やかな支援をライフワークとして取り組むという生き方にも心から尊敬を感じています。私自身はローカルNGOで働き挫折した経験を持っていますので、えらそうなことは全く言えず、真摯に現地の方への支援を続ける方々に深い敬意を持たずにはいられません・・・。
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