インターンシップ@マレーシア

マレーシアでの生活と子育て

ホテルマネジメントのDiplomaコースを学んでいた長男が6カ月のインターンに行って戻ってきました。なかなか過酷な職場での一員としてこき使われるホテルでのインターン生活でした。

厳しいインターン生活

アメリカなどでも大学生に課される半年間のインターンは、地獄の奴隷労働と恐れられていると聞いたことがありますが、マレーシアでも同じでした。半年間、泊まり込みで二人一部屋の汚い職員寮で過ごし、ホテルなので真夜中から朝までの勤務を含む3交代で、職員とほぼ同じシフトに組み込まれて働いていました。

甘やかして育ててきたので、そんな生活に耐えられずに泣いて帰って来るのではないかと思っていましたが、仲間がいるというのは強いものです。何とか励ましあいながらやり遂げました。さすがに初日は不安になったのか、ビデオコールをしてきて部屋を見せてくれたりしましたが、びっくりするくらい汚く、同室の職員の荷物も散らかり放題、こちらも見てて泣けてきました。初日は寮に送り届ける親たちは誰もが心配で、中にはほうきやたわしまで持たされてる生徒もいると聞いて笑いましたが、寮の部屋の中を見て、これはほうきとたわしいるわ。。。と納得しました。

寮に住んできついシフトで働く代わりに、休みは月に4日くらいまとめてもらえるのでその時は自宅に戻っていましたが、バイトの経験もなくのほほんと過ごしてきた長男に果たして勤め上げられるのかと心配でいっぱいになりました。

こんな研修あり?!

6カ月という長期間ずっと同じホテルというのもどうかと思うし、この期間ポケットマネーとは言えないくらいの金額も支払われます。もうこうなると、ただの人員不足を補っているとしか思えませんし、もしかしたら送り込む方の大学側も結構もらっているのでは、と疑いたくなります。

さらに長男は研修生の中では英語が比較的できるからという理由で、最初からフロントオフィス見習いになったそうで、その後基本ずっとフロントオフィスでの勤務でした。それじゃ何も勉強できないのでは? バックオフィスとかハウスキーピングとか飲食の方は?と聞いたら、そちらの方も割り当てられた生徒は、ほぼそこで働いていたとのこと、それでは経験も積めないし、他の現場のこともわからないまま、もう一体どうなっとるねん、と怒りがわいてきました。

そのホテルはまさに人材不足で、研修員のほとんどがそのまま働かないかとリクルートされたそうです。そしてそのまま働く人がまたけっこういるのだそうです。もうこうなると、このインターン研修は本当にただの人材補填として扱われ、研修らしい研修はしてないのではないかと思われます。夜中のシフトは暇だからいろいろ教えてもらえた、と本人は暢気に言っていましたが。。。研修制度さえたぶんないに等しいようで、初出勤日に一日ブリーフィングがあったのみだそうです。

研修生にホテルの顔となるフロントオフィスなんていきなりやらせていいのかと思いますが、責任の軽いところからどんどん仕事を任されていったようです。

そして進路変更へ。。。

長男はしっかり仕事はやり遂げたようで、何度もそのホテルでの仕事を続けるように説得されたそうですが、断った挙句になんとホテルマネジメントはもういいと言い始めました。やっぱり向いてないしやりたくないので、シェフを目指して進学するとのことです。ホテルマネジメントの中にシェフになることを中心にするコースもあるので、そのようなコースを持つ大学に移って勉強を続けることになりました。Diplomaコースでの成績がなぜかよかったために、問題なく進学できるとのことです。

勉強嫌いだった長男が進学したいと言い出したことにも驚きましたが、進学できるだけの成績をとっていたことにも驚きました。もともと自己肯定感が低くて人とコミュニケーションをとることを大の苦手としてたのに、フロントオフィスでの仕事を評価されたり、友人と励ましあって研修を終えたことにももう驚きの連続です。実習から帰ってきた長男は何やら一回り成長しており、今まで頼っていた双子の姉にアドバイスを与えたり、コロナ太りも半年ですっかり落ちて、落ち着いた風情です。外から見ればしょぼいことこの上ないこのインターン研修も、社会経験というものは人を成長させるんだなあ、と母はつくづく実感しました。

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