2017年にマレーシアからヨルダンに犬を連れて赴任しました。正確にはちょっと自信がなかったので、先に赴任して休みの時に連れに戻りました。直行便もなく犬を忌み嫌う傾向のある回教国同士の移動ということで気も使い、大変でした。
十分な準備が必要
我が家で飼っていたのは5歳のシーズーの男の子、まずすでにここで問題が。シーズーのような鼻がぺちゃんこの犬は気圧の変化による呼吸困難を起こしやすいために、搭乗できませんという航空会社が非常に多かったのです。そんなリスクを冒してまでとは思いましたが3年の滞在期間を考えるとやはり家族の一員、5歳の若い青年ということで耐えてくれると信じて載せてくれる航空会社を探しました。いろいろ探し回った挙句、受け入れ可能だったところはただ一社、ロイヤルジョルダニアンでした。それから必要な予防注射や証明書、輸出と輸入になるのでそれぞれの許可証など、クリニックだけではなく動物局とのやり取りなどが生じて書類を整え、移動のためのケージや水入れ等購入し、お金も時間もけっこうかかりました。
夏季は特に要注意らしいけど
犬の飛行機での移動は上記のこともあり、体調も崩しやすいということで特に夏季は搭乗できない航空会社も多かったのですが、マレーシアは常夏です。選びようがないので、とりあえずヨルダンは冬の時を選びましたが、冬の経験のない犬のことなのでそれも心配でした。ペットは荷物置き場の隣の部屋で空調がきいたところにいるとのことでしたが、途中のバンコクで間違って空調が切られたりはしていないかもう本当に心配でした。アンマンに着いて無事出てきたときには、家族全員涙がちょちょぎれました。元気ながらも小心者でおしっこしまくりで14時間をすごしたワンコはびちょびちょで汚く臭くなってました。怖い思いさせちゃって申し訳なかったです。
帰りは2匹で
このワンコ、早速寒いアンマンで元気に走り回るようになったのですが、来てしばらくしたらなんと別のかわいい迷い犬がうちにやってきました。困ったなー飼い主こまってうだろうなーとポスターはったり近所のペットショップに聞いたりしているうちに、なんとめでたくご結婚してしまい、あれよあれよと7匹の子犬が産まれてしまいました。3人の子供たちと旦那は大喜び、せっせと2カ月まで全員を世話しました。その後それぞれもらわれていったのですが、いや、9匹を飼うというのはなかなか大変な経験でした。かわいくて楽しいけどお金もかかるし赤ちゃんたちもあほだから、いつけがするかハラハラしてなくちゃいけないし。結局いろいろ紆余曲折を経て、マレーシアから来たワンコと娘の一匹を連れて帰りました。
マレーシアへの入国と隔離
日本からの入国は受け取るだけですむのですが、その他ほとんどの国からのペットの入国には隔離期間が課せられます。そのためマレーシアへの入国にあたっては代行業者に依頼する必要があり、転出よりも転入の方がずっと大変でした。ヨルダンはあまり厳しくなくて入国も出国も割合簡単でしたが、マレーシアへの入国にはどうぶつ病院の健康証明書などまずは輸入許可をもらうまでの手続きが非常に大変で、その上にまた予防接種や輸出許可など様々な証明書が必要でお金も時間もかかりました。航空賃や隔離期間も入れてかかった総費用は一匹10万円くらいです。子供3人が小さかった頃の移動よりもずっとずっと大変だということがよくわかりました。そしてまたロイヤルジョルダニアン航空で一路クアラルンプールに戻ったのでした。2匹の元気な姿を見てまた泣けました。
隔離施設は空港から15分くらい離れたところにある広い施設で、飼い主による面会は自由でした。1週間の隔離期間中一度様子を見に行きましたが、広々とした良い場所で2匹仲良くしていましたので、安心しました。隔離されてる猫ちゃんを毎日見に来てる、という人もいました。そんなこんなで大変な(まあ本人たちが一番大変だったでしょうが)思いをしてマレーシアにいる2匹のワンコは今も元気に上の子供たちとお父ちゃんと一緒に暮らしています。コロナでつらい日々の中、大きな癒しとなってくれているようです。
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