マレーシアの公立病院での出産

マレーシアでの生活と子育て

公立病院を選んだ経緯

2003年の話ですみません。妊娠当初は全く考えていなかった公立病院での出産ですが、結果的にまあまあ満足できる結果になりました。先の記事に書いたように、双子妊娠中にデング熱にかかり、その際かかっていた私立病院の産婦人科の対応に大きな不信を感じ、結局デング熱の治療でお世話になった公立病院の産婦人科に変えたのでした。初妊婦で高齢出産、双子さらに不妊治療後ということでしっかりとハイリスクグループにカテゴリー入りしました。2週間に一度の検査にときどきグループでの糖負荷テストなどあり、妊婦が多いだけありきちんとリスクやスケジュール管理がされている印象でした。

KLマタニティ病院

公立のクアラルンプール病院は巨大な敷地を持つ総合病院ですがその一角に、マタニティホスピタルが独立して存在します。通常は流れ作業のごとく検査が進みスクリーニングではじかれれば改めて診察、となりますが、ハイリスク郡なのでしっかりと担当医もおり、きちんと説明もしてくれて安心感もありました。外人料金が課されていましたが、1か月RM50(約1300円)という感じの支払いで、よくわからないがまあいいかという感じで払っていました。大きな病院でまさにいろんな妊婦さんがいましたが、はだしでゴム草履だけ引っ掛けてきている人も多く、転倒防止への指導などは特になさそうでした。

いよいよ出産

出産までの経過は特に問題もなかったのですが、双子なので早産の危険もあると28週くらいの時に赤ちゃんの肺の機能を促進する注射を打ちました。ところが予定日を過ぎてもうんともすんとも言わず、担当医からはではもう陣痛促進剤打って出します、と言われ入院となりました。この注射の後時間がたつごとにもう痛くて痛くてもんどりうったのですが、夫はじゃあドクターが明日くらいになるっていってるから一旦帰るねー、と帰ってしまっていたのです。本当は帰国出産も考えていたのに夫のためにマレーシア出産を選びました、それなのにこの仕打ち、愛情は38%くらいさめました。

しかし本当に昼に入院して結局次の朝まで、痛みで死にそうになってもちっとも降りてこず、元気に動き回っていた双子は帝王切開で出されることになりました。分娩室で笑気ガスが全然効かなくて苦しがっていると看護師がときどき入ってきて、え、日本人だ、ドラえもん、トヨタ、と笑いかけてきてもとても返す余裕はなく二つつながれた心音計からは元気な心臓の音が聞こえ続けていました。一晩いると他の分娩室の声が何度も聞こえてきて、「がんばれがんばれー」「オンギャーオンギャー」が繰り返され、全く生みたい気持ちにもならない状態にため息つきつつこらえましたが駄目でした。その後手術室に行くと15分で生まれたので、今までの15時間はいったい何だったのかと思いました。

黄疸で1週間の入院

幸い二人ともすぐに泣いてくれたのですが、その後黄疸が出て1週間の入院になりました。妊娠出産前の1か月はもう息をするのもハアハアするくらい大変だったのもあり、二つの命が一度に生まれてそれぞれ息づいていることに深い感動と感謝を感じました。女の子が2090グラム、男の子は2800グラムあり、保育器に入るのは免れました。病室は1等にはしてもらったのですが4人部屋しかなく、産後は冷やしてはいけないと心から信じているほかのマレー人妊婦によりエアコンはついておらず、もう何のための1等なんだか暑くて大変でした。産後指導や授乳指導は一切なく、すべて自分でやって見え覚える感じでした。しかし、これはあとで次男を生んだ私立病院でも同じでした。

かかった費用

二人の黄疸がおさまるまでの1週間の入院と出産費用全部込みで、RM2,700(約7万3千円)くらいでした、確か。二人が1週間も入院になる羽目になってこれが私立病院でなかったことにつくづくほっとしました。ただ、数か月後に双子の一人が5日ほど入院したときに、子供の小ささから親子3人で入院したのに請求がRM4(約百円)だったので、ああ、外人料金だいぶ高い、と悟ったのでした。とはいえ、全体的に振り返ればきちんとしたリスク管理に検査はしっかりしていて、必要な機材は完備されており不安なく出産できたので、それに何かあったときの対応がすぐできるのはこのような大病院であるとの安心感もあったので、よかったなと思っています。

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