理学療法士から国際協力業界でガバナンス担当へ

セラピストから国際協力へ

もう20年も臨床を離れている元理学療法士です。セラピストは今やその専門性に対して見合った給料の貰いにくい職種だそうですね。しかし今やセラピストも当たり前にどんどん転職をする時代になったそうなので、私のちょっと変わった軸ずらし転職を紹介します。

30数年前に理学療法士になった時、私たちは金のたまごと呼ばれていました。希少価値があったのです。それが今日では喰いっぱぐれはないものの、専門性に対して見合わない給料の職種となってしまったと聞いてショックを受けました。私はすでに20年も医療業界から離れていて特にこの10年の様子などは全く知らなかったのですが、日本で理学療法士として働いた5年間は本当に楽しく、一生このやりがいのある仕事を続けるぞと強く思っていました。今でもセラピストは良い仕事だと思っていますし、いつかは地域社会に戻ってPTとして働きたいと思っています。今ではセラピストも当たり前にどんどん転職をする時代になったそうなので、私のちょっと変わった軸ずらし転職を紹介します。この業界を別にお勧めするわけでもなく紹介するだけです。でも正直なところハイリスクですがハイリターンなので、戻ろうと思えばとりあえずいつでも仕事は見つかるセラピストだからこそチャレンジしてもいいし自分の世界が広がるきっかけにはなり得ると思います。

最初のきっかけ、青年海外協力隊

日本で5年働いた後、中学校のころからあこがれていた青年海外協力隊に参加しました。軸ずらし転職とは職種と業界を少しずつずらして、今までのキャリアを生かしながら更なるキャリアを積むことだそうですが、これが最初の国際協力業界への軸ずらしといえるかもしれません。マレーシアの首都郊外のNGOに赴任してみたら、マレー語は必要だったものの同じくらい英語も必要で英語学校に通う羽目になりました。

国連ボランティアに参加

3年の協力隊参加の後、マレーシア人の同僚だった夫と結婚し、しばらくNGOで働いていましたが、給料があまりにも安くてこれでは生活設計も一時帰国さえままならないと思い、今までのキャリアも生かせる国連ボランティアに参加しました。パレスチナのUNDPに所属し赤新月社(日本でいう日赤)に派遣され、障害児の学校やリハ施設への巡回指導を行う仕事を2年間しました。

国際社会開発を学ぶため大学院へ

国際協力の仕事を体当たりで続けてきたものの、きちんと学びたいと思うようになりました。また、国連職員だけでなく、国連ボランティアまでもがほとんど修士号を持っていたことから、開発業界ではやはり大学院への進学は必須かと思い、通信とオンラインで学べる大学院へ進学し国際社会開発の修士号を取得しました。

JICA現地事務所での勤務

マレーシアでしばらく子育てをしていたら、JICAマレーシア事務所から声をかけていただき、ボランティアをサポートする課で働くことになりました。理学療法士を離れることに不安はありましたが、自分が元ボランティアであったこと、障害者支援関係の仕事であったことから全く知らない分野ではないので、ボランティアの立場から今度はボランティアを支援する立場で勤務しました。現地採用での勤務形態でした。

ボランティア調整員

障害者支援分野のボランティアを専門でサポートする調整員を募集していたものの、なかなか見つからないことから思い切ってそのポストに自分で応募し、現地職員という身分から日本からの派遣スタッフとなりました。仕事の範囲も広がり責任もググっと重くなりました。

プロジェクト業務調整員

次にこの障害者支援分野の経験が買われて、障害者支援プロジェクトを実施する専門家となりました。この時にはすでにボランティアも理学療法も関係なく、マレーシアの障害者の自立支援、就労支援などにかかわりました。

プロジェクト専門家

次はその障害者の就労支援の経験を生かしてヨルダン労働省で、障害者の就労支援を主に行うプロジェクトで専門家として勤務しました。初めてのチームリーダーとなり、プロジェクト運営における計画立案から実施、評価などを行いました。

ガバナンス案件業務調整員

ここで障害者支援案件とは離れて今まで9年関わってきた技術協力プロジェクトの運営や開発分野の経験を生かして、インドネシアでガバナンスという新しい分野での挑戦し始め現在にいたります。

まとめ

とまあここまで書いて、実は大して大きく職種も業界も変えてないなあ、初めてチャレンジするブログに書くほどのことか、と思いましたが、もうここまで書いちゃったし、PTだった私がなぜガバナンス案件を担当するまでになったの説明にはなりますね。私は今もいずれはPTに戻るつもりでいるし、日本のセラピストの方々が軸をずらしてもずらさなくても転職して経験や知見を活かしてキャリアを高めていく機会があればよいと思っているので、これからはご参考までに今までの経験を少しずつ詳しく書いていきたいと思ってます。

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